タイタニック沈没まで楽団が演奏した理由や曲名は?【ワールド極限ミステリー】

テレビ

ワールド極限ミステリー(2021年5月12日放送)でタイタニック号が沈没するときに最後まで演奏を続けたバイオリニストについて放送されました。

なぜ楽団は最後まで演奏を続けたのか、また話題となったバンドマスターのウォレス・ハートリー氏のバイオリンや演奏曲についてまとめました。

タイタニック号 楽団(バンド)が沈没まで演奏を続けた理由

タイタニック号に乗船していた楽団(バンド)がなぜ避難せずに最後まで演奏を続けたのか。

その理由は、演奏することで乗客を落ち着かせようとしたからだと言われています。

残念ながら8名の楽団員は全員亡くなってしまいました。

【ワールド極限ミステリーで語られた演奏理由】

実は自主的に行ったものではなく、船員から「デッキで演奏してほしい。パニックを起こす乗客の心を君たちの演奏で落ち着かせてほしい。彼からを安全に誘導して救命ボートに乗せるには君たちの力が必要だ。」と依頼されたことがきっかけだったそうです。

楽団員たちは自分たちも避難しようとしていましたが、若きバイオリニストのジョック・ヒュームは、音楽家として音楽を必要としている人たちがいるなら弾くべきだと主張しました。

今船に乗っている人々は希望と勇気を必要としていて、自分たちならそれができると。

他の団員達は初めは演奏はせずにすぐに避難するべきだと主張していましたが、最終的にジョックの意見に賛同し、最後までデッキで演奏を続けたようです。

ジョック・ヒュームにはメアリー・コスティンという2年交際を続けていた彼女がいました。

ジョックがタイタニック号へ乗船する直前にメアリーの妊娠が発覚し、ジョックはタイタニック号から戻ったら結婚することを誓い、子供とメアリーの側にいるためにタイタニック号で船に乗る仕事は最後にするとメアリーに伝えました。

船での演奏は不定期で収入が安定しておらず、メアリーと子供を養えないと思ったからです。

しかしメアリーは、ジョックの音色は聴く人に生きる希望や勇気を与えるものだから絶対に音楽を辞めてはいけないと言い、ジョックは音楽を続ける決心をしていたそうです。

バンドマスター ウォレス・ハートリー氏のバイオリン

バンドマスターのウォレス・ハートリー氏はタイタニック号沈没から10日余り後に遺体で発見され、身体にはバイオリンが入った革のケースが縛り付けられていたそうです。

バイオリンは一時行方が分からなくなっていましたが、時を経て2006年に発見され、2013年に英国でオークションで90万ポンド(約1億4200万円)で落札されました。

このバイオリンがウォレス・ハートリー氏が実際にタイタニック号で使用していた本物かどうか議論になっていたようですが、科学捜査の専門家などによって数年かけて鑑定が行われ、本物であると結論付けられました。

出典元:https://www.cinematoday.jp/news/N0057478

【ウォレス・ハートレー氏のバイオリンの軌跡】

・1910年に所有者のウォレス・ハートレー氏へ、当時婚約者であったマリア・ロビンソンさんが記念の品として贈った。
 その証拠に「ウォレスへ、婚約を記念して マリアより」と刻まれた銀製の飾り板が取り付けられていた。
・ハートレー氏の死後、バイオリンは婚約者のマリアさんが引き取る。マリアさんは生涯独身を貫き1939年に死去。
・マリアさん死後、家族が地元の救世軍の楽団に寄付。その後ある音楽教師の手に渡った。
・最終的に現在の所有者である匿名の人物の手に渡る。

出典元:https://www.afpbb.com/articles/-/2934223

タイタニック号 楽団(バンド)が最後に演奏した曲

ハートリーさんたちが最後に演奏した曲は「主よ 御許に近づかん」と言われています。

Titanic Nearer My God To Thee from YouTube
出典元:Titanic Nearer My God To Thee from YouTube

この「主よ 御許に近づかん」という曲が最も有名ですが、別説では讃美歌 351 番の「オータム autumn」とも言われています。

もうひとつ。タイタニックの 甲板での最期の楽曲を聴いた 生存者の数少ない証言のひとつに、以下のようなものがあります。

「船尾から楽団の奏でる音楽が聞こえてきました。ラグタイムでした。(中略 )曲名はわかりません。それから “Autumn” が聞こえてきて、(中略 )楽団が演奏し続けたのは立派としか言いようがありません。(中略 )最後に楽団を見た時、私は救命胴衣をつけて海に浮かんでいましたが、彼らは まだ “Autumn” を演奏していました。あの中で どうやって演奏できたのか、不思議で仕方がありません 」 (ハロルド・ブライドタイタニック無線電信技師 )

: 引用 「ザ・ホワイト・スター・オーケストラ / タイタニック 運命の航海に捧げられた音楽(ワーナーミュージック・ジャパン Rhino_Atlantic AMCY-2458 解説対訳より )

http://scherzo111.blog122.fc2.com/blog-entry-221.html

まとめ

タイタニック号に乗船していた音楽団が、沈みゆく船のデッキで最後まで演奏を続けた理由ですが、船員からパニックを起こしている乗客の心を鎮めるために演奏して欲しいと依頼されたことがきっかけでした。

自主的に行ったことではありませんでしたが、それでも音楽家としてタイタニック号に乗っている人々に希望と勇気を与えたいと思い実行したようです。

タイタニックが沈没するまで演奏されていた曲名は「主よ 御許に近づかん」でした。

当時の凄惨な現場には全く似合わないほど穏やかで安らぎを感じるような曲です。

この曲がどんな形で演奏され、どれだけの人の耳に届いていたか分かりませんが、この演奏が聞こえた犠牲者と生還者の心には残ったのではないかと思います。

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