大坂なおみ選手が2021年5月30日から開幕した全仏オープンで取材対応を拒否し、それによりフランステニス協会より罰金が科せられたと話題になっています。
今回大阪なおみ選手が取材を拒否することになった経緯や、取材を拒否することによる損害と今度の解決策について考えてみましょう。
大坂なおみ 会見ボイコットまでの経緯
【会見ボイコット宣言から実行までの時系列まとめ】
◆2021年5月27日:大坂なおみ選手がTwitter上で全仏オープンでの記者会見をメンタルヘルスを守るために拒否すると宣言
◆2021年5月27日:大坂なおみ選手のボイコット宣言に対してフランステニス連盟のジル・モレトン会長が、この決断は「とんでもない間違い」であり、「受け入れられない」行為であるとして厳しく非難。
◆2021年5月30日:大坂なおみ選手は1回戦に勝利するも宣言通り試合後の記者会見を拒否。これを受けて主催者であるフランステニス連盟は1万5千ドル(約165万)の罰金を課すと発表。今後も続けば四大大会への出場停止の可能性もあるとしている。
◆2021年5月31日:大坂なおみ選手が2回戦棄権を表明。
SNS上で「私が意図した状況ではない。みんながパリでの試合に集中するには、辞退することが、トーナメント、他の選手、私にとってベストと考えた」と投稿。
さらに「2018年の全米オープン以降、長い間うつ病に悩まされてきた」とも告白。
フランステニス連盟のジレ・モレトン会長は「棄権は残念なことで、一刻も早い回復を祈っています」とコメント。
大坂なおみ 会見ボイコットによる損害
大坂なおみ選手が会見をボイコットすることによる損害はどれほどのものなのでしょうか?
フランステニス連盟の損害
主催者であるフランステニス連盟は観戦チケットや放送権料を得ています。
ファンや視聴者に喜んでもらうことで収益を得て成り立っているんですね。
大会参加選手のメディア対応が必須になっているのには色々な理由があると思いますが、試合後の選手のインタビューを聞きたいとお客様であるファンや視聴者に喜んでもらうことも目的とされていると思います。
お客さんをがっかりさせたり、満足させられなければそれは主催者の責任です。
会社で言うならば、部下のミスは上司や組織の責任である、と同じようなことではないでしょうか。
金銭的な損害がどれほどあるのか不明ですが、トラブルにより大会が潤沢に進められないことは歴史に傷をつけることにもなり、フランステニス連盟にとっての大きな損害と言えます。
スポンサーの損害
全仏オープンのスポンサーは巨額の資金を投じて大会の成功を援助しています。賞金もまた、スポンサー企業によって賄われています。
世界から注目が集まる4大大会で大金を投じたにも関わらず、大会にとってネガティブなニュースが飛び交うのは歓迎されるものではないでしょう。
特に大坂なおみ選手はスポンサー契約を15社以上と行なっており、プロテニス選手の中でも並外れた契約金をもらっています。
ビジネスパートナーであるスポンサーの宣伝を行うことは仕事であり義務でもあり、様々な場面でスポンサーのロゴや社名がメディアに映ることが期待されるやけです。
会見が行われないことで宣伝の機会の一つを失うことは損害といえるのではないでしょうか。
大坂なおみの損害
大坂なおみ選手は前述したように多くのスポンサー企業と契約をしています。
2020年には賞金と広告料などのスポンサー契約で何と3740万ドル(約41億1000万円)を稼ぎ、女子スポーツ選手の史上最高額に達したと言われています。
41億のうちほとんどがスポンサー契約によるものです。
今回の会見ボイコット問題により、残念ながらスポンサーからの評価は下がってしまうのではないでしょうか?
世間は大坂なおみ選手の気持ちに寄り添い擁護する声もありますが、逆に痛烈に批判している声もあります。
大坂なおみ選手の健康が1番大切ですが、大坂なおみ選手に対する世間の評価が下がったり、それにより今後スポンサー契約が大坂なおみ選手にとって不利な方向へ傾いていくとすると、それは大坂なおみ選手にとって大きな損害になります。
大坂なおみ 会見ボイコットの解決策
この問題の終着点はどこになるのでしょうか?
こんなにも世間が注目し、世界中のメディアでも取り上げられているにも関わらず単純に罰金を課して終わり、だけでは全く生産性のないものになってしまいます。
大坂なおみ選手も主催者も気分を害して終わり、という状況にするべきではありません。
タレントの武井壮さんが画期的な解決策を提案されていました。
武井は、大坂の発言や反応を踏まえ「心の健康状態が無視されているとのことだが、多くの批判が寄せられている一方、精神的な問題なら仕方ないとする見方もある」と理解した上で、気分の悪い時に会見を強要されるのが嫌だということだとすると、選手は大会の収益システムの一部をボイコットし、利益背反行為になると指摘。
解決策として「試合後の会見が苦痛でやりたくないと言うことならば、シンプルな解決策として獲得賞金の半額を受け取る契約などを付帯すればいい。返上する賞金はスポンサーに分配して返金、もしくはスポンサーがOKなら他の選手の賞金に分配することでバランスが取れる」と提案した。
武井はさらに、大会は多くのスタッフの尽力によって運営され、その中で優秀な成績と事前取材やインタビューなどのメディア露出をした選手へのリスペクトとして高額な報酬が設定されているとし、「試合以外の露出に協力しないならば、手に入れるのは名誉のみでもいいはずだ。個人へのスポンサーは獲得できて収入は確保できるし、返上した金額を分配することで大会側の損失も補填できる。誰を責めることもなく、選手の精神状態にも配慮しつつ問題を解決できる」と記した。
武井は最後に「スポーツが上手い、それだけで手にできる報酬などどこにも無い。理解が足りないと誰かを責めることも大会や記者、メディアを責めることもどちらも不毛な争いだ。ならば、経済的な観点で妥協点を設定すればいい。精神状態などを理由に両者が争う問題ではなく、仕事の作業量と報酬を巡るシンプルな契約の問題であるべきだと思う」と語った。
https://www.google.co.jp/amp/s/www.chunichi.co.jp/amp/article/264005
武井壮さんが提案する解決策はとても良い方法だと思いました。
結局は綺麗事を並べてもお金の問題に行き着きます。
経済的な内容を絡めながら、選手も運営者もスポンサーも納得できる落とし所が見つかれば、選手のメンタルも運営者やスポンサーのメンツや利益も守られるんじゃないかと思います。
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